S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる
和季の抱擁と主張に驚いているうちに、頭を包み込むように後頭部へ手を回されて、再び唇を重ねられる。
今度は触れるだけの控えめなキスだったが、たったこれだけで紗夜の心は簡単に乱されてしまう。せっかく呼吸が整いかけていたのに、また少し息苦しくなったみたいだ。
優しいキスに頭がぼんやりして、思考も身体も上手く働かない。
仕方がないので和季にされるがままになっていると、ふと彼が紗夜の右手首を掴んで、そこをぐいっと引っ張った。
和季に腕を引かれたことで、指先がなにか固い感触に触れる。
「紗夜、ほらここ」
「……?」
確認を促された紗夜がのろのろと視線を動かしてみると、自身の指先が和季の下腹部に触れていることに気づく。
思わずびく、と硬直する。
黒いスラックス越しに触れるそれが大きく反応していると理解した途端一気に目が覚めた紗夜は、すぐに手を引っ込めようとした。
だが和季の握力が思いのほか強く、簡単には振り解けない。
「わかるだろ? 紗夜を抱きたくて、こうなってるんだ」
「!? まっ……て、ください……!」
掠れた声音で名前を呼ばれて熱の籠った視線を向けられれば、嫌でも気づかされる。
和季はさらに先を――このまま紗夜と深く繋がることを望んでいるのだ。