S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

「先輩の誕生日は夏でしたよね」
「ああ。八月三日生まれ、獅子座のB型だ」

 誕生日の話になったことで、ふと数か月前のやりとりを思い出す。するとバーベキュー交流会で誰かがしていた質問に対する返答とほぼ同じ答えが返ってきたので、思わずくすくすと笑ってしまう。

 あのときも和季は『二日前が誕生日だったんだ。だからみんな盛大に祝ってほしい』と真顔で要求して、周囲の人たちを笑わせていたっけ。

 経営一族である明里家に生まれ、いずれは重役に就くことが確定している和季だが、周囲に対して偉ぶることもなく、逆に申し訳なさを感じて下手に出ることもない。

 もちろん同僚として共に仕事をしている人たちも、いつか特別扱いしてもらおうと和季にすり寄ることも、今はまだ同じ平社員なのだから、と和季を見下げることもない。

 明里家の御曹司でありながら人情に厚く常に自然体な和季は、誰からも好かれる人柄の持ち主だ。

 そんな和季を一番傍で見続けてきた紗夜だからこそ、日々思っていることがある。

 それを和季自ら『獅子座』と言ったことで、ふと思い出した。

「明里先輩って、ライオンとか、向日葵とか、お星さまとか、黄色いものが似合いますよね」

 紗夜がくすくすと笑いながら告げると、和季が目を丸くして箸を止める。

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