S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

 意外にも面と向かって褒められることには慣れていないのか、紗夜の言葉に照れてしまったらしい。先ほど可愛さを感じたことはない、と思ったが、この表情は少し可愛いかもしれない。

「ていうか深田、実は結構酔ってるだろ?」

 紗夜がまた「ふふふ」と笑っていると、目を細めた和季が紗夜に反撃するよう問いかけてきた。

「酔うと本心が出るタイプ?」
「え、そんなことはないと思いますけど……」

 紗夜はお酒に弱い方ではない。ものすごく強いわけでもないが、酔い潰れて家まで帰れなくなったり、記憶がなくなったりしたことは一度もない。

 だがグラスに三杯もビールを飲んだことでふわふわと楽しい気分にはなっているので、まったく酔っていないわけではないだろう。

 ならば和季のいうように、普段なら軽率に言わないような本心を、うっかり口にしてしまっているのかもしれない。

 ああ、これ以上失礼なことを言わないよう気をつけなければ……と考えていると、目の前の和季がふと箸を置いて、紗夜の顔をじっと覗き込んできた。

「じゃあ、俺の本心も知ってもらうか」

 和季が笑顔で呟いた一言に、そっと顔を上げる。

 紗夜と同じペースでビールを飲んでいる割にまったく酔っている様子がない和季の整った顔を、じっと見つめ返す。

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