S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる
ルミリュクスおよび系列会社であるアカリリホームズは一切の社内恋愛を禁じているが、本来『恋愛』というものは仕事や業務とは関係のないプライベートな部分のため、社則で禁じたり強制したりする必要のないものである。
むろん業務時間中に社内でいかがわしい行為に耽ることは許されないが、業務時間外に社員が誰とどこでどんな恋愛をしようとも、会社側には止める権利などないはずなのだ。
だがアカリグループが経営する二社では、伝統的に社内恋愛がご法度となっている。聞くところによると、創業直後に会社の未来を揺るがしかねない特大スキャンダルが勃発し、その結果としてあの鉄の掟が生まれたらしい。
だが問題発覚から何十年も経った今なお無関係の社員たちのプライベートまで縛るのは、いかがなものかと思う。時代の流れに合っていない、と感じるのも和季に完全同意だ。
「父さんや叔父さん、兄貴に変えるつもりがないのなら、俺が変えてやる」
「……先輩」
「『社内恋愛禁止』の規則は、いつか必ず俺が無くす。だから深田は、あまり深刻に考えなくていい」
紗夜の目をじっと見つめながら明確に決意表明する和季は、強い使命感を抱いて闘志を燃やしているかのようだ。