S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる
その姿を見ていると、やはり和季は仲間を守るために戦うライオンのようで、周囲に明るい笑顔を向け続ける向日葵のようで、人々の道しるべとして夜を照す恒星のようだと思える。
しかしそれはそうとして、一つ大きな疑問もある。
「あの、そもそもなんですが……」
「ん?」
「交際って、好きな人同士がするものですよね?」
「……は?」
紗夜が真顔で訊ねると、和季が目を見開いて固まった。
しかしすぐにがっくりと肩を落として、はああぁ、と盛大なため息をつかれる。
「いや、おい……」
若干の苛立ちを含んだ声を出され、びく、と身体が硬直する。
そんな紗夜を無視するよう前屈みになって腕を伸ばした和季が、紗夜の頬をむにっと摘まんできた。
「それは、俺が好きでもない相手に『付き合おう』なんて言う奴だと思ってるってことか? ん?」
「だ、だって……!」
むにむにと伸ばされすぎてハムスターのような頬袋ができてしまうのではと焦ったが、頬っぺたが完全に伸びきる前に指を離された。どうやら和季は、紗夜をいじめたいわけではないらしい。
「深田が好きで、プライベートの姿ももっと知りたいと思ってるから、言ってるんだろ」
「!」