マッチングした相手は片想いの社長でした
笑いながら歩いていると、通りの先に小さな映画館が見えた。

大きなシネコンとは違う、昔からそこにありそうな小さな映画館。

私は何となく足を止めた。

「映画館……」

涼太君も立ち止まる。

上映案内を見た彼が、不意に言った。

「気晴らしに観ていこうぜ」

「今から?」

「どうせ帰って寝るだけだろ?」

「まあ、そうだけど」

「決まり」

「勝手に決めないでよ」

そう言いながら、私は笑っていた。

こういうところも昔から変わらない。

結局、二人でチケットを買って映画館へ入った。

上映されていたのは恋愛映画だった。

「普通の恋愛映画か」

「嫌なの?」

「いや、別に。那奈、こういうの好きそうじゃん」

「そうかな」
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