マッチングした相手は片想いの社長でした
「ご、ごめん!」

「ぐっすりじゃん」

涼太君はおかしそうに笑っている。

「起こしてよ!」

「気持ちよさそうだったから」

「映画、全然観てない……」

「金もったいなかったな」

「誰のせいよ」

「俺のせいじゃないだろ」

また笑われる。

恥ずかしい。でも不思議と嫌ではなかった。

映画館を出ると、街はすっかり遅い時間になっていた。

「仕方ないな。家まで送る」

「え? いいよ」

「危ないから」

「でも涼太君だって疲れてるでしょ?」

「いいから」

そう言われて、結局二人で歩くことになった。

他愛のない話をしながら歩いているうちに、マンションが見えてくる。

「ここで大丈夫」

「分かった。また明日な」
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