マッチングした相手は片想いの社長でした
まるで私を誰にも渡したくないと言われているみたいだった。

「……どうしたんですか?」

尋ねても、すぐには答えてくれない。

やがて、頭の上から低い声が落ちてきた。

「最近、黒瀬と仲いいな」

「え……?」

涼太君のこと?

思わず春樹さんの肩越しに視線を泳がせる。

確かに最近、一緒にいる時間は増えた。

残業を手伝ってもらった。

二人でハンバーガーを食べた。

映画も観た。

家まで送ってもらって――。

額にキスされた。

そこまで思い出した瞬間、胸がざわついた。

春樹さんには、言った方がいいのだろうか。

でも、どうやって?

私は春樹さんの腕の中で、答えを見つけられないまま黙り込んでしまった。
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