マッチングした相手は片想いの社長でした
「借りは作りたくないんだ」

「借りって……俺は社員ですよ?」

もっともな返事だった。

だけど春樹さんは平然としている。

「俺は任せてばかりじゃないよ」

「社長……」

涼太君が驚いたように春樹さんを見る。

私は思わず笑ってしまった。

こういう人なんだ。

社長だからといって、人に全部押しつけて帰ったりしない。

涼太君が私の代わりに残るなら、自分も残る。

そんな春樹さんを、また好きになった。

「じゃあ私もやる」

「那奈?」

春樹さんの隣へ座る。

「一気に終わらせよう」

涼太君が私を見る。

「……うん」

そこからは三人で一気に仕事を進めた。

なんだか不思議だった。

社長と社員。恋人と同期。
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