マッチングした相手は片想いの社長でした
私はそう思っていた。

「あいつ、いいやつだな」

春樹さんがぽつりと言った。

「そうだね」

本当にそう思う。

いつも助けてくれる、大切な同期。

だから私は気づかなかった。

エレベーターの中で、一人になった涼太君がどんな顔をしていたのか。

「……何であいつまで来るんだよ」

閉じたエレベーターの扉を見ながら、涼太は小さく呟いた。

私たちも仕事を終え、会社を出た。

外はもうすっかり夜だった。

金曜の夜だからなのか、街にはまだ人が多い。

春樹さんがスマートフォンを確認しながら言った。

「もうホテルも部屋ないだろうな」

「ああっ、そうだね」

そういえば今日は金曜日。

この時間から探しても、いつものホテルに空室があるとは限らない。
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