マッチングした相手は片想いの社長でした
どうするんだろう。

食事だけして帰る?

そう考えていると、春樹さんが当然のことのように言った。

「俺の部屋に来い、那奈」

「え?」

一瞬、意味が分からなかった。

春樹さんの――部屋?

ホテルじゃなくて?

「春樹さんの部屋に?」

思わず聞き返す。

春樹さんは私を見つめたまま、静かに微笑んでいた。

何度も抱きしめられて、何度も好きだと言われているのに。

春樹さんの家へ行く。

それだけのことが、なぜだか今までよりずっと特別なことに思えた。
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