マッチングした相手は片想いの社長でした
私が助手席に座ると、春樹さんも運転席へ乗り込んだ。

車が静かに走り出す。

「直ぐに着くよ」

「うん」

夜の街を流れていく光を眺める。

やがて赤信号で車が止まった。

その時、膝の上に置いていた私の手に温かなものが重なる。

「……春樹さん?」

春樹さんの手だった。

指先が絡む。

ただ手を握られただけなのに、頬が熱くなる。

「可愛いな、那奈」

「もう……」

「すぐ赤くなる」

「春樹さんだからよ」

言ってから、ますます恥ずかしくなった。

けれど春樹さんは嬉しそうに笑っていた。

到着したのは、街の中心に建つ高層マンションだった。

車を地下駐車場へ入れ、二人でエントランスへ向かう。

落ち着いた照明。広いロビー。
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