マッチングした相手は片想いの社長でした
大きな胸に頬を寄せる。

春樹さんの腕も私の背中へ回った。

「……那奈には敵わないな」

「どうして?」

「何でも見抜かれる」

「ふふ」

しばらくそうしていると、春樹さんが私の頭を撫でた。

「お腹空いただろ」

「あ」

そういえば会社から何も食べていない。

「何か作る?」

「適当に作るよ」

「え?」

私は顔を上げた。

「春樹さんが料理するの?」

「これでも上手い方だよ」

本当に上手かった。

キッチンに立った春樹さんは、迷いなく食材を取り出していく。

そしてフライパンを振った。

「うわあ、上手」

「そんなに驚く?」

「だって春樹さん、料理しそうに見えない」

「一人暮らし長いからね」

手際よくご飯と具材を炒める。

「簡単なチャーハンだけどね」
< 126 / 295 >

この作品をシェア

pagetop