マッチングした相手は片想いの社長でした
「十分だよ」

出来上がったチャーハンとサラダをテーブルへ並べる。

そしてワインセラーから選んだ一本を開けた。

向かい合って座る。

「乾杯」

「乾杯」

グラスを合わせ、チャーハンを一口食べた。

「うん、美味しい」

「よかった」

本当に美味しい。

でも、それ以上に嬉しかった。

春樹さんの家で。

春樹さんが作ってくれた料理を食べている。

そんな何でもないことが幸せだった。

顔を上げると、春樹さんが私を見ている。

「……何?」

「別に」

「そんなに見られると、なんだか照れちゃう」

「那奈は照れ屋だな」

「ふふふ」

食卓に笑い声が響く。

今まで知らなかった春樹さんが、ここにはたくさんいる。

料理する春樹さん。

ワインを楽しむ春樹さん。
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