マッチングした相手は片想いの社長でした
「いや……その……」

まずい。私が言葉に詰まったせいで、春樹さんの目が細くなる。

「なに? 教えてよ」

逃げられない。

「涼太君と一緒に観て……」

春樹さんの動きが止まった。

完全に固まっている。

「……」

「ごめんなさい」

思わず謝ってしまう。

別に悪いことをしたわけではない。

あの時、涼太君とは同期として出かけただけ。

それでも春樹さんの前で話すと、妙に後ろめたい。

ところが春樹さんは怒らなかった。

「ストーリー覚えてる?」

「それが途中で寝ちゃって」

「じゃあこれでリベンジ」

「え?」

差し出された二枚のチケットを見て、私は笑ってしまった。

春樹さんらしい。

嫉妬して問い詰めるより、自分ともう一度観ればいいと思っているらしい。
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