マッチングした相手は片想いの社長でした
春樹さんの顔が浮かんで、一気に頬が熱くなる。

確かにそうかもしれない。

仕事でもそうだし、私に対しても――。

「……那奈、分かりやすい」

「もう、涼太君」

笑う涼太君を見ながら、私も笑った。

けれど一瞬だけ、涼太君が黙って私を見つめていたことには気づかなかった。

「そろそろ時間だね」

「うん、行こう」

帰りの新幹線もある。

私は財布を取り出した。

すると涼太君が止める。

「ここは俺の奢り」

「でも……」

「俺にも甘えて」

「ありがとう、涼太君……」

一瞬、返事に困った。

すると涼太君が私の手にそっと触れた。

いつもの同期としての距離より、ほんの少し近い。

「涼太君」
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