マッチングした相手は片想いの社長でした
私がこの人を好きになったきっかけ。

社長にとっては何でもない出来事だと思っていた。

それなのに覚えていてくれた。

「あまり無理するなよ」

「……はい」

ダメ。そんな優しい顔で言わないで。

忘れられなくなる。

ううん。本当はもう分かっている。

忘れたくなんてないんだ。

しばらくして、注文した料理の皿が空になった。

「あー、食べた」

「結構食べましたね」

テーブルの上には空になった皿が何枚も並んでいる。

社長って意外と食べるんだ。

そんなことまで知れたのが、なぜか嬉しかった。

「お会計です」

店員さんが持ってきた伝票を見る。

18650円。

私はすぐにバッグから財布を取り出した。

「私も出します」
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