マッチングした相手は片想いの社長でした
画面を見ると、そこには春樹さんの名前。

それだけで胸がふわっと温かくなる。

「はい」

『那奈、今どこ?』

聞き慣れた低い声。

「それが新幹線止まって」

『え? それで?』

春樹さんの声が一気に心配そうになる。

「今ホテルの部屋」

『そうか。気を付けて』

「うん」

それだけの会話なのに、嬉しい。

心配して電話してくれた。

春樹さんらしい。

電話を切ってスマホを見つめていると、

「社長から?」

涼太君が聞いた。

「そうだね」

「幸せそうな顔をして」

「ふふふ」

思わず笑ってしまう。

 自分では分からないけれど、そんな顔をしていたらしい。

 だけど次の瞬間。

「あーあ」

涼太君が突然、ベッドへ大の字になった。

「涼太君?」
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