マッチングした相手は片想いの社長でした
急に立ち上がり、逃げるように浴室へ向かってしまった。

「変なの」

私は小さく笑った。

でも今日は朝からずっと動きっぱなしだったせいか、急に眠気が押し寄せてくる。

ベッドへ横になると、身体が沈み込んだ。

少しだけ。ほんの少し目を閉じるだけ――。

どれくらい眠ったのだろう。

唇に柔らかな感触が触れた。

「……ん」

何……?ゆっくり目を開ける。

目の前にいたのは――。

「え? 涼太君?」

驚いて身体を起こした瞬間、強く抱きしめられた。

「涼太君……?」

「那奈」

耳元で聞こえた声が、いつもの涼太君とは違った。

「好きだ」

頭が真っ白になる。

涼太君が?私を?

身体を離した涼太君が、真っ直ぐ私を見つめる。
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