マッチングした相手は片想いの社長でした
「いいって」

「でも……」

「ははは。俺、社長なんだけど」

思わず私も笑ってしまう。

社長は財布を取り出しながら、当然のように言った。

「女性にはご馳走するよ」

「……はい。ご馳走様です」

「さあ、行こう」

店を出ると、夜の街はすっかり暗くなっていた。

「ありがとうございました」

店員さんの声を背中で聞きながら、社長と並んで歩く。

楽しかった。

本当に楽しかった。

楽しすぎて、少し飲みすぎてしまったらしい。

「あれ……」

足元がふらつく。

「おい」

「すみません」

次の瞬間、社長の腕が私の身体を支えた。

「飲み過ぎだ」

「すみません……」

顔を上げる。すぐ近くに社長の顔があった。
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