マッチングした相手は片想いの社長でした
そして、いつもの落ち着いた表情に戻る。

「たまたまか」

「はい」

よかった……。

ほっと息をつく。

それ以上追及されることもなく、春樹さんは自分の仕事へ戻っていった。

私も席について仕事を始める。

ところが。

昼前になり、必要な冊子を取りに倉庫へ向かった。

「ええっと、この冊子は……」

棚に並んだファイルを確認していると、背後で扉が閉まる音がした。

振り返ろうとした、その瞬間。

背中から腕が回された。

「……っ」

知っている香り。

知っている体温。

「社長……?」

春樹さんだった。

私の身体を包み込むように、後ろからぎゅっと抱きしめている。

さっきまであんなに平然としていたのに。
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