マッチングした相手は片想いの社長でした
私は春樹さんの胸に抱きついた。

「春樹さんの側にいたい。でも、ただ側に置いてもらうだけじゃ嫌なの」

「那奈……」

「私、春樹さんを支えたい」

ずっと言いたかった。

「仕事も頑張りたい。ちゃんと秘書になりたい。春樹さんの恋人だからじゃなくて、仕事でも必要だって思ってもらいたいの」

春樹さんは何も言わなかった。

ただ、私を強く抱きしめた。

しばらくして。

「俺が間違っていた」

「春樹さん……?」

「那奈を失いたくないって、そればかり考えてた」

抱きしめる腕に力がこもる。

「出張で黒瀬と同じ部屋だったって聞いたとき、本当に余裕がなくなった」

私は黙って聞いていた。

「だから側に置けば安心だと思った。でも、それじゃ那奈が何を望んでいるのか見てなかった」
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