マッチングした相手は片想いの社長でした
「春樹さん……」

春樹さんが私の頬に触れる。

「仕事は好きなだけやればいい」

「本当に?」

「ああ。ただし、無理はするな」

思わず笑ってしまった。

「それじゃ今までと同じじゃない」

「そこは譲れない」

春樹さんも笑う。

その笑顔を見た瞬間、胸の奥にあったものがふっと軽くなった。

「でも……」

春樹さんが私を見つめる。

「会社で側に置くことと、那奈を愛することは分ける」

「うん」

「だから」

少しだけ間があった。

「一緒に暮らそう、那奈」

「……え?」

今度こそ頭が真っ白になった。

「一緒に?」

「ああ」

そして――。自分から唇を重ねた。

春樹さんが一瞬驚いたのが分かった。
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