マッチングした相手は片想いの社長でした
その姿がなんだかおかしくて、私は小さく笑ってしまう。

会社では何人もの社員を動かしている社長なのに。

今は私の段ボールをせっせと運んでいる。

寝室まで荷物を運び、私はクローゼットを開けた。

春樹さんの服が並ぶ横に、自分のブラウスやワンピースを掛けていく。

たったそれだけなのに、不思議な気持ちになった。

ここに私の服がある。

春樹さんの服の隣に。

「那奈の物が増えてく」

後ろから聞こえた声に振り返る。

春樹さんが、本当に嬉しそうにクローゼットを眺めていた。

「ふふふ。嬉しそうだね」

「嬉しいよ」

そんなに素直に言われると、こっちまで照れてしまう。

「二人の物を買いに行こう」

「二人の物?」
< 181 / 295 >

この作品をシェア

pagetop