マッチングした相手は片想いの社長でした
以前、一緒に食事をした時に好きだと言っていたのを覚えていた。

「覚えてたの?」

「もちろん」

次の瞬間、背中から腕が回ってきた。

「嬉しいよ、那奈」

耳元で囁かれて、頬が熱くなる。

「春樹さん、危ないよ。今ハンバーグ焼いてるんだから」

「少しだけ」

「もう……」

困るのに。

その腕を振りほどきたいとは思わなかった。

むしろ、こんな毎日が続けばいいと思ってしまう。

テーブルには焼き上がったハンバーグとサラダ。

二人で買ったばかりのお皿を使った。

春樹さんがワインをグラスに注ぐ。

「はい、乾杯」

「うん、乾杯」

グラスが小さな音を立てる。

春樹さんがハンバーグを一口食べた。

私はその表情をじっと見つめる。

「うん、美味しい」
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