マッチングした相手は片想いの社長でした
「那奈」

振り向くと、涼太君が驚いたような顔でこちらを見ている。

「なんか、こき使われてない?」

「あはは。大丈夫よ」

「本当に?」

「うん」

涼太君は少し心配そうだった。

「手伝える事あったら言って」

「うん、ありがとう」

やっぱり涼太君は優しい。

同期として何度も助けてもらった。

でも今、私が頑張りたいと思う理由は、少し前とは違っていた。

春樹さんの側で仕事がしたい。

恋人だからじゃない。

秘書として、ちゃんと春樹さんを支えられる人になりたい。

気がつけば、窓の外は暗くなっていた。

社員が次々と帰っていく中、春樹さんだけは仕事を続けていた。

デスクの上にはまだ資料が残っている。
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