マッチングした相手は片想いの社長でした
「春樹さん、帰らないの?」

「先に帰ってて、那奈」

「でも……」

昨日はあんなに楽しそうに二人の生活を話していたのに。

今日は社長の顔に戻っている。

「あまり無理しないで」

そう言うと、春樹さんが顔を上げた。

「あはは。いつかの逆だな」

「え?」

そうだった。

少し前まで、無理をして働く私に「休め」と言っていたのは春樹さんだった。

春樹さんは椅子にもたれ、ふっと天井を見上げた。

そして静かに言った。

「那奈の為に頑張りたい」

胸が跳ねた。

「私の為に?」

「うん」

春樹さんの視線が私に戻る。

「那奈は俺の支えだよ」

その一言で、胸の奥が温かくなった。

私はこの人に守ってもらうだけじゃない。

私も、この人を支えられている。
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