マッチングした相手は片想いの社長でした
でも私はただ頷いて、タクシーに乗った。

「今日はありがとうございました」

「ああ。また明日な」

「はい」

ドアが閉まる。

タクシーがゆっくりと動き出した。

私は振り返り、窓越しに社長を見る。

社長はその場に立って、私を見送っていた。

姿が小さくなっていく。

見えなくなるまで、私はずっと振り返っていた。

部屋に帰った私は、そのままベッドに倒れ込んだ。

「はあー……」

枕に顔を埋める。

どうしよう。楽しかった。

社長と焼肉を食べた。

一緒に笑った。

一年前に私が倒れたことまで覚えていてくれた。

無理するなって心配してくれた。

酔った私を抱き寄せてくれた。

ひとつひとつ思い出すたび、胸が苦しくなる。
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