マッチングした相手は片想いの社長でした
それが少し嬉しい。

お母様はソファに腰を下ろすと、まず春樹さんを見た。

「まずは売上上昇、見事だわ」

「ありがとう」

「那奈さんが秘書になってからよね」

突然私の名前が出て、背筋が伸びる。

春樹さんは迷うことなく頷いた。

「ああ、そうだよ」

「那奈さん、見直したわよ」

「ありがとうございます」

素直に嬉しかった。

最初にお会いした頃、お母様は私を春樹さんの相手として認めていなかった。

そんな人から認めてもらえた。

それだけで頑張ってきた意味があった気がした。

ところが、お母様は次の瞬間、ごく自然な口調で言った。

「ところで、あなた達、結婚するのよね」

「……結婚?」

思わず声が裏返った。

春樹さんは平然としている。
< 196 / 295 >

この作品をシェア

pagetop