マッチングした相手は片想いの社長でした
春樹さんも気づいたらしい。

「まだ残ってたのか」

「早く慣れたくてね」

「無理するなよ」

昔から知っている二人らしい自然な会話。

ほんの少しだけ胸がちくりとする。

だけど私はバッグを持ち、二人のところへ向かった。

「お待たせ、春樹さん」

言ってから気づいた。

――あ。会社なのに。

しかも香織さんの前で。

思わず口を手で塞いだ。

「あっ……」

香織さんが私と春樹さんを交互に見る。

そして、納得したように笑った。

「やっぱり付き合ってるのね」

逃げ道がない。

私が赤くなっている横で、春樹さんはまったく動じなかった。

「ああ。一緒に暮らしてる」

「春樹さん!」

そこまで言わなくても……!

でも春樹さんは平然としている。
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