マッチングした相手は片想いの社長でした
そして春太君が、じっと春樹さんを見る。

大きな瞳で何度も顔を確かめるように。

次の瞬間。

「もしかして、パパ?」

「……え?」

私と春樹さんの声が重なった。

パパ?

今、この子……何て?

春樹さんの表情が変わった。

「本当なのか? 香織」

香織さんは少しだけ目を伏せた。

「……うん」

その瞬間、時間が止まったような気がした。

春太君だけが嬉しそうだった。

「パパ!」

春樹さんへ両手を伸ばす。

私は何も言えなかった。

頭が追いつかない。

春樹さんと香織さんの子供?

婚約していた頃に?

だったら、どうして春樹さんは知らなかったの?

いくつもの疑問が浮かんでは消えていく。

「春太、帰るわよ」

香織さんが男の子の手を取った。
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