マッチングした相手は片想いの社長でした
「パパ、またね」

春太君が笑顔で手を振る。

春樹さんは、その小さな背中をただ見つめていた。

あんな春樹さんの顔を、私は初めて見た。

戸惑いと、驚きと――どこか切なそうな顔。

家に帰ってからも、春樹さんはずっとぼんやりしていた。

ソファに座り、何も言わない。

私は隣に座った。

「春太君……春樹さんの子供なのね」

「そうなんだろうか」

「香織さんを疑うの?」

「違う。何も知らされてない」

それはそうだ。

五歳になるまで、存在すら知らなかったのだから。

「名前、春太よ」

「ああ。俺の名前の一部だ」

春樹の「春」。

それに気づくと、余計に偶然とは思えなかった。

「きっと香織さん、必死だったのよ」

春樹さんが私を見る。
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