マッチングした相手は片想いの社長でした
春太君は春樹さんを「パパ」と呼んで、あんなに嬉しそうに笑っていた。

もし私がいなければ。

春樹さんと香織さんと春太君は、本当の家族になれるの?

私は何も答えられなかった。

その日の夜。

私は一人、オフィスに残っていた。

仕事なんて、とっくに終わっている。

それなのに帰る気になれなかった。

パソコンを見つめながら、香織さんの言葉を何度も思い出していた。

『親子三人で暮らしたいの』

当然なのかもしれない。

香織さんは春樹さんを愛していた。

春樹さんだって、香織さんを愛していた。

そして二人の間には春太君がいる。

私が知らない時間。

私には絶対に入れない過去。

「ここにいたのか」

聞き慣れた声に顔を上げた。

「……はい」
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