マッチングした相手は片想いの社長でした
春樹さんだった。

「手伝うよ」

春樹さんは私の隣に座ろうとした。

「那奈?」

優しくされると余計につらい。

「私はいいから、香織さんの元へ行って」

「どうした、急に」

私は自分の考えを伝えた。

「親子三人で暮らした方がいいわ」

「那奈」

名前を呼ばれただけで泣きそうになる。

「春太君を大事にして」

「那奈、話を聞いてくれ」

「春樹さん……」

私は唇を噛んだ。

「認知するとは言った」

黙って春樹さんを見る。

「だが香織と結婚はしない」

「……でも」

「でもじゃない」

春樹さんの目は真剣だった。

「今俺が愛してるのは那奈だ」

堪えていた涙が頬を伝った。

「俺が結婚するのは那奈だけだ」

この人を好きな気持ちだけは、もう手放したくない。

春樹さんの腕の中で、私はようやく素直にそう思えた。
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