マッチングした相手は片想いの社長でした
「ははは。大事な人なんです」

胸の奥がきゅっとなった。

――大事な人。

たったそれだけの言葉なのに、どうしようもなく嬉しい。

女将さんが部屋を出ていったあと、私たちはお茶を飲みながら一息ついた。

けれど私は、さっきの言葉が気になって仕方ない。

「よかったの? 結婚するなんて」

春樹さんは湯呑みを持ったまま、何でもないことのように答えた。

「いづれするだろ、俺達」

あまりにも自然に言うから、また胸が熱くなる。

「うふふ」

「嬉しそうだな、奥さん」

「もう……」

そう言いながらも笑みを隠せない。

二人で顔を見合わせて笑った。

ふと部屋の隅を見ると、浴衣が用意されている。

「あっ、浴衣ある」

ピンク色の浴衣が目に入った。
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