マッチングした相手は片想いの社長でした
「着てみて」

春樹さんに言われ、その浴衣を選ぶ。

着替えて戻ると、春樹さんが私を上から下まで眺めた。

「いいねえ」

「本当? 可愛いよね」

嬉しくなって笑う私に、春樹さんが近づいてきた。

そして耳元へ顔を寄せる。

「そそられる」

低い声が耳に落ちてきた瞬間、身体まで熱くなった。

「もうっ」

春樹さんは楽しそうに笑う。

「ははは。温泉でも入ったら?」

「うん」

逃げるように露天風呂へ向かった。

浴衣を脱ぎ、そっと湯へ身体を沈める。

「あぁ……」

思わず息が漏れた。

ちょうどいい温度のお湯が身体を包んでいく。

山の空気は少し冷たいのに、お湯の中は暖かい。

しばらくすると、後ろから春樹さんの声がした。
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