マッチングした相手は片想いの社長でした
同じ会社にいても、住む世界が違う人。

好きになったって仕方がない。

何度そう言い聞かせただろう。

それなのに今、この人は私との「ずっと先」を口にしている。

気づけば目の奥が熱くなっていた。

「私でいいの?」

どうしても聞きたかった。

私なんか、じゃない。

それでも春樹さんほどの人が、本当に私を選んでくれることが、今でも時々夢みたいに思える。

春樹さんは迷わなかった。

「那奈しかいないよ」

その一言で、堪えていたものが全部溢れそうになった。

私は春樹さんへ近づいた。

濡れた腕を伸ばし、その首へそっと回す。

すぐ近くに春樹さんの顔がある。

ずっと憧れていた人。

遠くから見つめるだけだった人。

今は私を見つめて、これから先も一緒にいようと言ってくれる。
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