マッチングした相手は片想いの社長でした

第26話 星に誓う未来

部屋の奥から衣擦れの音が聞こえて、私は何となくそちらへ目を向けた。

「那奈、待たせたな」

声とともに現れた春樹さんを見て、私は思わず息を止めた。

濃紺の浴衣。

いつものスーツとはまるで違うのに、不思議なくらい似合っている。

背が高くて肩幅のある春樹さんは、浴衣を着ると普段以上に大人っぽく見えた。

少しだけ開いた襟元から覗く首筋まで妙に色っぽくて、私は目を逸らすタイミングを失ってしまう。

「ん?」

私の視線に気づいた春樹さんが首を傾げる。

「どうした?」

「……カッコいい」

思ったことが、そのまま口から出た。

言ってしまってから恥ずかしくなったけれど、春樹さんは驚いたように目を見開いたあと、嬉しそうに笑った。
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