マッチングした相手は片想いの社長でした
子供みたいだと思いながら、私は思いきり左手を空へ伸ばした。

もちろん星になんて届くはずがない。

笑いながら手を下ろそうとした、そのときだった。

春樹さんが私の左手を取った。

「……え?」

指先に、冷たい感触。

薬指に何かが通される。

星明かりを受けて、小さな輝きが生まれた。

「この指輪……」

声が震えた。

春樹さんは悪戯が成功したみたいに微笑んだ。

「ほら、届いた」

私は言葉を失った。

左手の薬指には、綺麗な指輪が輝いている。

星を取ってくれるなんて、そんなことできるはずがないと思っていたのに。

春樹さんは、本当に私の手の中へ星をくれた。

そして、私の手を包み込む。

「水野那奈さん」

いつになく改まった呼び方。
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