マッチングした相手は片想いの社長でした
胸が大きく鳴った。

春樹さんの瞳は真剣だった。

「俺と結婚してください」

その瞬間、涙が溢れた。

ずっと片想いだった。

遠くから見ているだけでいいと思っていた人。

住む世界が違うと思って、諦めようとした人。

忘れたくて始めたマッチングアプリで、もう一度出会った。

あの夜、春樹さんについていかなかったら。

春樹さんが私を見つけてくれなかったら。

今、この場所にはいなかった。

「那奈」

春樹さんが少しだけ笑う。

「返事は?」

涙を拭うことも忘れて、私は何度も頷いた。

「はい」

春樹さんの手を握る。

「あなたの妻にしてください」

次の瞬間、強く抱きしめられた。

「ああ、那奈」
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