マッチングした相手は片想いの社長でした
あれ以上一緒にいたら、何を言ってしまうか分からなかった。

社長のことが好きだって。

本当は誘ってもらえて嬉しかったって。

全部知られてしまいそうだった。

私は仕事に集中するふりをして、パソコンの画面を見つめた。

その少し離れた場所から春樹社長が私を見つめていることには、気づかなかった。

仕事が終わり、私は席を立った。

今日は疲れた。早く帰ろう。

バッグを手にしたところで、スマホが震えた。

「え?」

画面を見る。マッチングアプリからだった。

しかも――。

【35歳 会社経営】

あの人。急いでメッセージを開く。

【今夜会いませんか】

「今夜……?」

あれだけ返信がなかったのに、突然?

迷った。顔も知らない相手と会うのは不安だ。
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