マッチングした相手は片想いの社長でした
春樹さんはしばらく何も言わなかった。

「春樹さん?」

「綺麗だよ」

その一言だけで顔が熱くなる。

春樹さんが私のそばへ来る。

そして私にしか聞こえないくらいの声で、耳元に囁いた。

「今すぐ奪いたくなる」

「……っ」

耳まで熱くなった。

「またそういう事言う」

春樹さんは楽しそうに笑っている。

もう。ウェディングドレス姿の私にまでそんなこと言うなんて。

でも嫌じゃない。

むしろ、春樹さんの目に私がそんなふうに映っていることが嬉しい。

スタッフさんがドレスのカタログを広げた。

「いろいろございますからね」

その言葉を聞きながら、私はふと会社で涼太君と話したことを思い出した。

「あの……ねえ、春樹さん」

「どうした?」
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