マッチングした相手は片想いの社長でした
私は少し迷ってから春樹さんを見つめた。

「結婚式、二人だけでしない?」

春樹さんが黙った。

やっぱり無理なのかな。

一ノ瀬家には一ノ瀬家の事情がある。

私が簡単に決めていいことじゃないのかもしれない。

「家族も呼ばないのか?」

「うん」

私は頷いた。

「二人だけで誓いたいの」

春樹さんの目をまっすぐ見る。

「春樹さんと私が、これからずっと一緒にいるって。二人だけで誓いたい」

少しの沈黙のあと、春樹さんの表情が柔らかくなった。

「分かった。二人だけで結婚式な」

「いいの?」

「ああ。那奈がそうしたいなら、俺もそうしたい」

胸がいっぱいになる。

この人はいつもそうだ。
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