マッチングした相手は片想いの社長でした
私の気持ちを聞いてくれる。

社長だからとか、御曹司だからとか、そんなものを私たち二人の間には持ち込まない。

だから私は、春樹さんの隣にいられる。

その夜、春樹さんの家でウェディングドレスの写真を広げた。

「どれにしようか迷うよな」

「一生に一度だからね」

「あれも似合ってた」

「春樹さん、全部似合うって言ってたじゃない」

「本当に全部似合ってたから仕方ないだろ」

そんな他愛ない会話まで幸せだった。

でも。春樹さんが何気なく言った一言で、私の手が止まった。

「那奈のお父さんにも挨拶しなきゃ」

「あー……お父さんね」

「浮かない顔だな」

「お父さん、頑固なとこあって」

春樹さんが少し考える。

「何の仕事してるの?」

「町工場でねじ作ってる」
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