マッチングした相手は片想いの社長でした

第29話 ふたりの未来

結婚式の朝。

鏡の中に映る自分を見ながら、私は何度も小さく息を吐いていた。

「お仕度できました」

式場の方に声をかけられ、私はゆっくり立ち上がる。

真っ白なウェディングドレス。

裾には繊細なレースが広がり、胸元には小さな花の刺繍が散りばめられている。

何度も試着して、春樹さんと一緒に選んだドレス。

一生に一度だからと悩んで、迷って。

それでも最後には、春樹さんが一番長く見つめていたものを選んだ。

鏡の中の私は、いつもの私とは違って見えた。

本当に今日、私は春樹さんの妻になる。

そう思った瞬間、胸の奥がいっぱいになった。

「那奈」

聞き慣れた声に振り返る。

「春樹さん」
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