マッチングした相手は片想いの社長でした
ライトグレーのタキシードに身を包んだ春樹さんが立っていた。

いつもスーツ姿を見慣れているはずなのに、今日は特別に見える。

私が見つめていると、春樹さんも私をじっと見つめた。

「うん、綺麗だ」

「ありがとう」

たったそれだけなのに、顔が熱くなる。

この人に綺麗だと言ってもらえることが、今でもこんなに嬉しい。

そのときだった。

「那奈」

後ろから聞こえた声に、私は目を見開いた。

「お父さん……?」

そこに立っていたのは、スーツ姿のお父さんだった。

作業着しか似合わないと思っていたお父さんが、慣れないネクタイを締めている。

「すまん。どうしても見たくて」

気まずそうに頭を掻く姿を見た瞬間、泣きそうになった。
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