マッチングした相手は片想いの社長でした
今日の式は、私と春樹さん、二人だけで挙げるつもりだった。

大勢の人の前で誓うより、二人だけで静かに誓いたかったから。

でも――。

「いいんですよ、お父さん」

春樹さんが微笑んだ。

そして、何かを思いついたようにお父さんを見る。

「そうだ。バージンロード、歩いて下さい」

「え?」

驚いたのは私だった。

「いいの?」

「父親の特権だよ」

春樹さんは当然のように言った。

お父さんはしばらく黙っていた。

やがて、その頑固な顔が少しだけ崩れる。

「ありがとう、春樹君」

その声は、いつもよりずっと小さかった。

チャペルの扉が開いた。

真っ白なバージンロード。

その向こうに春樹さんがいる。
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