マッチングした相手は片想いの社長でした
春樹さんの唇が、私の頬に触れる。

「……うん」

少し離れたところから、お父さんの声がした。

「やれやれ」

振り向くと、お父さんが呆れたような顔で笑っている。

私と春樹さんは顔を見合わせ、そのまま笑った。

式の後には、親しい人たちを招いて結婚パーティーを開いた。

堅苦しい披露宴ではない。

私たちを見守ってくれた人たちに、結婚したことを報告するためのパーティー。

「一ノ瀬社長、おめでとうございます」

「ありがとうございます」

今度は黒いスーツに着替えた春樹さんが、次々と祝福を受けている。

「いやあ、仲が良くて羨ましい」

そんなことを言われて、私は思わず俯いた。

付き合い始めた頃は、春樹さんとの関係を会社の人に知られることさえ怖かったのに。
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