マッチングした相手は片想いの社長でした
今は堂々と、この人の隣にいる。

しばらくすると、春樹さんが私のそばへ来た。

「那奈、覚えてる?」

「何を?」

「初めて那奈と待ち合わせした時」

私は思わず笑った。

「うん。私、信じられなかった」

忘れるわけがない。

ずっと片想いしていた社長が、マッチングした相手として目の前に現れたのだから。

「まさか那奈だと思わなかった」

「私も片想いの人だと思わなかった」

「あの時、必死だった」

「え?」

春樹さんが私の耳元へ顔を寄せる。

「那奈が欲しかったから」

「もう……」

結婚した今日まで、この人は変わらない。

むしろ前よりずっと甘くなっている気がする。

私は少し迷ってから、あの日のことを話した。
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