マッチングした相手は片想いの社長でした

第4話 二人で過ごす熱い夜

エレベーターの扉が静かに閉まった。

二人きりになった途端、急に心臓の音が大きくなった気がした。

さっきまで春樹さんと普通に話していたはずなのに。

ホテルに入って、同じエレベーターに乗っている。

それだけで、これから何が起こるのかを嫌でも意識してしまう。

私はバッグの持ち手を握りしめた。

そのとき、春樹さんの手が私の手に重なった。

「緊張してる?」

「はい……少し」

嘘。少しどころじゃない。

ずっと好きだった人と、これから同じ部屋に入るのだ。

そんな私を見て、春樹さんはふっと優しく笑った。

そして、そのまま私を抱き寄せる。

「大丈夫だよ」

「ええ……」

耳元に落ちてくる低い声だけで、胸が苦しくなる。
< 31 / 49 >

この作品をシェア

pagetop